2007.07.23 Monday
第二次世界大戦中の雑誌
古い物好きなMikiは、思いもよらない物が見つかるアンティークショップに行くのが大好き。気が向くと、近所のお店にふらっと立ち寄る。私はと言えば、ふらっと立ち寄ったついでに、Mikiがとんでもないジャンクを買ってしまわないように、見張り(?)を兼ねて、いつもくっついて行く。
いくつか、「これいいなぁ〜」というものを見つけたMikiであったが、残念ながら、私を説得することはできず。代わりに、夫婦で意見が一致した、古い雑誌、ポピュラーサイエンスを三冊買って来た。Mikiが先に読んでは、ほぅ〜、へぇ〜、と頷いている。 ポピュラーサイエンスと聞けば、一時は日本版も発行(現在、日本語版は廃刊)されていたので、聞いたことがある人もいることだろう。アメリカでは、知らない人はいないというぐらいに由緒ある雑誌で、初版は1872年というから驚きだ。もちろん以来、ずっと発行され続けている。 今日、買った三冊は、1945年(昭和20年)発行のもの二冊(当時25セント)と、1956年(昭和31年)発行のもの一冊(当時35セント)。1945年と言えば、終戦の年、1月号と3月号なので第二次世界大戦の真っ只中だ。そんなおりアメリカ人はどんな記事を読んでいたのか、ちょっと気になるではないか。数ある中から、二人でこの年発行のものを選んでみた。 現代の雑誌ならば、絶対に有りえないだろう“Japs”と言う単語が目に付く。右端表紙の絵は、米国側から見た、日本兵の典型的な様相なのだろうか? 昭和20年の1月号をめくると、日本の戦闘機が特集されている。日本の戦闘機に、"Tony' "Sally" "Helen" なんて、適当に勝手な名前が付けられていて、中には"Tojo"なんてのもある。 ページを進めると、日本軍の制服についての記事がイラスト入りで紹介されていて、なるほど、この雑誌が発行されていた頃の現実を垣間見ることができる。 この頃、私はまだ生まれていないので、日本がどんなだったか、当時の現実を知る由もないが、父母の話や歴史、テレビ番組や映画からこの頃、日本じゅうが、悲惨な毎日を強いられていただろうことは容易に想像できる。 戦争の真っ只中を思い知らされる記事といっしょに、昆虫のことや、「未来のリビングルーム」なんて穏やかそうな特集も混在しているのは、これが科学雑誌だからか?戦地になっていないここでは、大戦の真っ只中でも、戦争はどこか遠いところの出来事だったのかもしれない。今、どんなにイラクで苦しい思いをしている人がいようとここには、別の時間が流れているように……。 1945年発行のものには、宣伝がほとんどないが、それから10年後のものは、宣伝が目立つようになる。50年代にアコーディオンが流行したと聞くが、その証拠のようなアコーディオンの宣伝もみつけた。記事の中に、セントラルエアーの特集が組まれている。日本のこの頃と言えば、昭和三十年代に突入し、人々がテレビ、冷蔵庫、洗濯機を「三種の神器」と呼び、こぞってほしがった時代だ。古い雑誌を眺めるのもなかなかおもしろい。 興味のある方、古いポピュラーサイエンスの記事を集めたこんなサイトを発見しました。 |