早い!早すぎる一年が……。
昨年、タレントショー2008について、書いたのがつい数日前(大袈裟?)のように感じる……。ともあれ、あっというまにまた、恒例の学校行事がやってきた。どんなものかは、
昨年の記事でわかるので省略するとして、今回のエントリーについての裏話。
昨年、ハイスクール代表に選ばれ、見事郡大会への切符を手にしたものの、優勝を逃し、2位となった息子だった。
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さて、その本人、昨年暮れぐらいから、「今度は何をやろう」と参加の意欲は満々。私は、水をさすようだけど、昨年すでにハイスクールで優勝しているから、“同じ人”が勝つのはかなり難しいと思うよと横槍入れる。
望みがあるとすれば、個人で出るのではなくて、グループで出てチームワークを見せる。あなたはなるべく目立たないように引っ込んでいなさいとも付け加えた。……頷く息子。
9年生の時に、人の意見を聞かなかったことで失敗。その反省以来、鬱陶しい母のアドバイスも、“ひとつの意見”として聞くようになった。昨年も、練習するなかで、「もっとこうしたら?」という種類の提案をしたところ、採用できそうなものは取り入れながら、自分のアレンジを確立していった。
そもそも、ハイスクール大会にしても、郡大会にしても審査員は私とかそれ以上の年代なのだから、選曲、出し物など、年長者の視点は無視できないはず。どんな年代にも通じる曲ということで、「スタンバイミー」を演奏したいという、本人の意向には、「まぁいいんでないの……」で異論なし。
友だちの中から妥当なメンバーを選び話を持ちかけ、揃ったのが、ドラマーのR、ベーシストのJ、リードヴォーカールには、女の子起用でL嬢、自分がリードギターとサイドヴォーカルという4人グループが誕生。メンバーは決まったものの、どう見せるか、スタンバイミーをどう味付けするかで、時が過ぎた。冬休み中に、映画もみておいた。
スタンバイミーという映画は、子どもたちが死体を捜しにいくという、変なストーリーだけど、この映画には心を打つメッセージがこもっている。大切なのは、死体捜しという目的ではなく、同じ目的を持った子どもたちが、いっしょに行動するなかで、利害なく友情を深めていくプロセスであり、また、その一瞬一瞬が大人になってからどんなに尊いものかというすてきなメッセージだ。
これを使わない手はない。
年が明けてから、授業後にメンバーが集っては我が家の地下室でわいわい練習をはじめた。演奏がそつなくできることはわかっている。ただ、既存の歌をみんなの前で歌うだけというのでは、やはり何か足りない。
「せっかくだから、曲を演奏するだけじゃなくて、曲を通して、“メッセージ”を伝えてごらん。与えられた時間で感動を伝えなきゃ」
相手が高校生だというのに、言いたい放題の注文をつけてみた。(言うは易し……)こんなアドバイスを聞いたり、聞かなかったりして自分たちが演奏できるように曲をアレンジ。そして冒頭に曲を引き立たせるための、メッセージをセリフ調に付け足した。
地下室でティーンエイジャーが集る毎日を微笑ましく見守っていたが、本日、ハイスクール大会本番。今年は全部で19組の出場で、2組だけが、郡大会への切符を手にできる。息子のバンド仲間の演奏で、カルテットでのサックス演奏は文句なく上手い!しかし、これはソロ&アンサンブルという音楽コンクール用の曲をどうせ練習しているから、ついでにタレントショーにも出ちゃおうというもので、これように練習したわけではない。他にもクラシック系でビアノ演奏、タップダンスなど才能ある生徒はやはりいるいる。抜群に上手いヒップホップダンサーも聴衆を唸らせた。
息子たちのグループの演奏が始まると、会場の歓声はさらに大きくなった。
何の誘導をすることもなく、オーディエンスの方から曲に融合してきて、自然に手拍子が生まれ会場とステージが一体になった。
種類のちがうパフォーマンスを同じ土俵で審査するのだから、ジャッジにとっては頭の痛いことだったと思うけど、結果、息子たちのグループはハイスクールの代表として選ばれ一同大喜び。
「オーディエンスのハートを見事に掴んだね」と先生からコメントされたそうだが、やはり、「演奏を見せる」より「心を掴む」ことがキーなのだろう。
来月の郡大会のために、また練習を続けなきゃね。
これも青春の1ページ。ガンバレ!ティーンエイジャーども!