2009.04.25 Saturday
ハイスクールプロム
少し前から、ハイスクールの息子に
「お母さんプロムに行ってもいい?」と聞かれていた。 プロムというのは、アメリカのハイスクールで卒業前に開かれる最後のダンスパーティのこと。毎年、年度末に近づくとこのパーティーに誰と行くか、どんなドレスを着るかなどは、シニアの生徒たちにとっては、いちばん関心の高い話題だ。 アメリカに来てまだ間もない頃にプロムを経験した長女のときは、この行事のことがよくわからず、いろんな人に助けてもらいながら、この一大イベントをこなした。関連エッセイ 長男のときは、特定のガールフレンドはいないけど、プロムには行きたいということで、女ッけのない少年たちご一行様のグループでわいわい楽しく参加した。次男はもともと冷めた奴なので、「プロム?そんなの好きな人たちが勝手にすれば」という雰囲気で参加もせず。 上二人の兄がそんな感じなのに、末息子ときたら、フレッシュマンになったばかりの最初のダンスパーティーから、女の子を誘ってホームカミングに行ったので、これはこれでおったまげたことだった。 以後、しばらくダンスパーティーに行くそぶりはなかったけど、この末っ子はやたら女友達が多い。それも同級生というのではなく、年下から大学生のお姉さんまで年齢層も幅広く我が家に女の子が遊びに来ない日はないぐらいの毎日だ。 それでも、息子はまだジュニアなので、シニアプロムに参加するにはまだ一年先のはず。 「ジュニアなのになんでまた?」と尋ねると、今年シニアの女友達に誘われてしまったと言う。 彼女はサックス奏者でジャズバンドの仲間だ。彼女には大学生のボーイフレンドがいるらしいけど、遠くに住んでいるので、彼とプロムには行けそうにないので、息子が代役として誘われたということだ。 シニアプロムのチケットは、40ドル。 「しょうがない、お母さんが出しましょう」ってことになった。 さて、彼女は、パープルのドレスなので、それにあわせて衣装を考えておかないととのこと。 女の子の衣装も大変だけど、男の子もタキシードをレンタルするのに、100ドル、いやもっとというのが普通らしい。中にはパーティー会場までリムジンをチャーターする生徒もいるという。 幸い、うちの息子はジャズバンドでいつもタキシードを着るので、バンドの先生にお願いしてそれを拝借。衣装にお金をかけることなく済んだけれど、それぞれのパートナーとコサージュを交換するため、相手の女の子のドレスの色に合わせた生花のコサージュを準備しないといけない。 ハイスクール時代のよい思い出になるならと、いろいろサポートしてあげる優しい(?)母であった。まっ、そのご褒美といっては何ですが、せめて記念の写真ぐらい撮りたいので、彼女たちとの待ち合わせ場所に覗きに行ってもよいでしょうか?と聞いてみた。 ティーンエイジャーの男の子ですから、ママについて来られるのが嬉しいわけないことは承知ですが、意外にも"I don't care! "(勝手にどうぞ)とのこと。息子のトーンから「そんな子離れできない親はあんただけ」というニュアンスを感じはしたものの、「あっそう」ということでついて行った。 ところが、ところがそこで見たのはこんな光景。 な〜んだ。どこの親もいっしょじゃん。 我が子の晴れ姿を記録しておこうと、くっついて来た親は私だけどころか、子どもの数より多かった。多くの家庭が離婚しているので、ほんとのパパ、ママに今のパパ、ママといて、子どもの数よりたくさんの親がいた。あまりに意外で、おもしろかったので、写真を撮る親の姿の写真をたくさん撮ってしまった。 「まるでパパラッチだなぁ」と苦笑いしながら、我が子の写真を撮りまくり、「娘がプロムに参加する年になったなんて、信じられないよ〜」と感慨深げだった。 自立を重んじるというアメリカ社会でも、親の気持ちはやっぱりいっしょなんだなと感じた今日だった。 |